おすすめギフトの「生まれ」と「育ち」

大切な人に差し上げたいのは、想いを込めて生み出されたモノたち。
笑顔を運ぶ、サプライズになる、あなたをもっと印象づける——
そんな、「futo」が厳選したおすすめギフトの背景をご紹介します。
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“親しい友人”のように赤ちゃんに寄り添う
木工作家 宮﨑昌洋の木のおもちゃ

赤ちゃんの手に似合うのは
ぬくもり溢れる木のおもちゃ

生まれて間もない我が子を見つめていると、“初めてのおもちゃは無垢な木で作られたものがいい”と感じる方は多いのではないでしょうか。今はまだ、お母さんや愛してくれる人たちのあたたかな肌に触れているだけの、赤ちゃんの手。できることなら、同じように“命のぬくもり”を感じられるおもちゃで、人生の楽しみごとをスタートさせてあげたいと思いませんか?

そんな赤ちゃんのファースト・トイとしておすすめしたいのが、木工作家・宮﨑昌洋さんの木のおもちゃ。素材となる木の伐採から製作までをたったひとりで手掛ける、まさに作者の顔が見えるおもちゃです。素材には、主にヒノキを使用。ヒノキは、その香りやヒノキチオール成分によるリラックス効果とともに、しばしば神社仏閣の建築材としても使用される耐久性に優れた木材。そこには、「末長く一緒にいたくなる“大切な友だち”のようなおもちゃを作りたい」という宮﨑さんの想いが込められているのです。

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システムエンジニアから一念発起。
木工作家への転身

宮﨑さんは、木工作家になる以前は、システムエンジニアとして某一流企業に勤めていた異色の経歴の持ち主。大学卒業後に十数年間勤務した後、体調を崩したことを機に、自分が本当にやりたいことを見つめ直したと言います。
「会社では行政部門に所属していたのですが、ある時、教育用ネットワークシステムを構築することになり、子どもに関するさまざまなデータを見る機会があったんです。衝撃的だったのが、“今後は、世界中で子どもへの虐待やうつ病が増えていく”と予測していたデータ。シンポジウムなどに参加するうちにますます興味が深まり、同時に、自分も子どもたちのために何かできないだろうかと考えるようになりました」。
その後、進むべき道を求めて会社を退職。考えを巡らせた末、子どもたちに寄り添えるのはやはり遊具ではないかと、木のおもちゃ作りを思い立ちました。すべてがゼロからのスタートでしたが、木工制作のできる環境を探して巡り合った茨城県常陸太田市で、地元の方々に支えられ、試行錯誤を繰り返しながら、約2年間をかけてオリジナルの木のおもちゃを完成させたそうです。

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理想のおもちゃを追い求める
手作りへのこだわり

そんな宮﨑さんの代表作のひとつであるおしゃぶりは、実は河井も十数年前に頂いた出産祝いのギフトの中で、唯一、今でも大切にとってあるおもちゃ。今年14歳になる息子さんも、他のおもちゃは全部人に譲ったのに、このおもちゃだけは絶対に手放さなかったのだとか。
「おしゃぶりを作ったのは、今から18年くらい前。ずっと握っていたくなる、お守りのような存在感のものを作りたかったんです。デザインは手に馴染むように手の形から発想を広げ、グーにした時のフォルムをお星さまに見立てて、柔らかく有機的なラインにこだわりました。また、表面の手触りは赤ちゃんの肌のような滑らかさをめざして、磨き上げ作業にたっぷりと時間をかけています。紙やすりは目の粗いものから細かいものまで6種類を使って、ひとつ磨くのに数時間かけているんですよ」。
さらに、今年の春には、同じくロングセラーの球転(たまてん)が、「2016年 グッド・トイ」を受賞。カゴに見立てた入れ物に木の球を入れて遊ぶ素朴なおもちゃは、転がすたびにカロコロと優しい音が響きます。掴む、運ぶ、入れる、出すなどさまざまな動作を通して、親子でコミュニケーションを取りながら、たくさんの刺激や発見を与えてあげられるのも大きな魅力です。
04_6 おもちゃの製作中は、朝から夜中まで16〜17時間ほど工房に籠るという宮﨑さん。そこまで徹底して手作りにこだわる理由は、一体何なのでしょうか? それは、「本当に手に馴染むものは、手作りからしか生まれない」という強い信念があるからなのだそう。「子どもが安全に使うことができるのはもちろんですが、私が本当にめざしたいのは、ぎゅっと握ることで安心できて、いつまでもそばに置いておきたくなるおもちゃ。願わくは、大きくなってからもベッドの中まで連れて行ってもらえたら、これ以上の喜びはないですね」。ひとつひとつひたむきに、愛情いっぱいに作られたおもちゃを、子どもたちの遊びを広げてくれる“相棒”として、プレゼントしてみてはいかがですか?

 

取材・文/村上治子